top of page
JOURNAL


ファインダー越しに触れた、伝統の熱量と、未来を拓く若き一皿。――フランス レストランウィークに寄せて
2019年9月、フランスレストランウィークでスピーチを行うアランデュカス氏。 一枚の写真には、音が映る。そして、料理人の呼吸が映る。 フランス料理が紡いできた果てしない伝統と、それを現代の感性で更新しようとする若きシェフたちの静かなる野心。「フランス レストランウィーク2019」の撮影を通じて私のカメラが捉えたのは、単なる美しい一皿ではなく、文化のバトンが渡されるその劇的な瞬間でした。 ■ 伝統という名の重力、それを超える「美意識の継承」 フランス料理の歴史は、そのまま美食の王道であり、揺るぎないクラシックの積み重ねだ。巨匠アラン・デュカスが体現してきたような、洗練されたミニマリズム、素材の命を極限まで引き出すモダン・ラグジュアリーのエスプリは、現代を生きるすべての料理人にとっての一つの到達点であり、同時に超えるべき高い壁でもある。 ファインダーを覗くとき、私はいつもその「見えない背景」を探している。 厨房の張り詰めた空気、シェフの手元から放たれる迷いのないリズム。そこには、何世代にもわたって磨き上げられてきた「型」がある。...
6月3日読了時間: 3分


カメラは最新じゃなくていい!
時間の肖像 写真が変わった日 10年くらい前。 今使っているカメラを買ったばかりの頃の話。 特に目的もなく、ただ街を歩いて、引っかかったものを片っ端から撮ってた。 上手く撮ろうとか、作品にしようとか、そんなことは正直どうでもよかった。 ただ、シャッターを切りたかった。 その当時、今ほどではないけど街には多くの外国人観光客がいた。 特に多かったのはインドやネパール系の人たち。それとヨーロッパから来た人たち。 みんな、カメラを首からぶら下げて歩いてた。 ある時ふと気づいた。 カメラ機材より先に、視点があった あれ?この人たちのカメラ、全然新しくない。 フィルムカメラだったり、2〜3世代前のデジタルカメラだったり。 当時の自分からすると、正直「それで撮るんだ?」って思うような機材。 でもね——写真が、すごくいい。 いや、「上手い」とかじゃない。熱があるんだ。 立ち止まる場所。シャッターを切るまでの“間”。ファインダーを覗く時間。 「あ、この人、今これを撮りたいんだな」 それが動きだけで分かる。その瞬間、僕の頭の中で何かがひっくり返った。 カメラって、最
6月3日読了時間: 4分
bottom of page